CARVE / PRACTICAL GUIDE

ループ音源の継ぎ目を自然にするには?CARVEで確認する手順

Raito Studio Tools ·

ループは、波形だけでなく音楽としても自然につながる必要があります。CARVEのSeamを使うと終端から先頭へのつながりだけを聴けるので、毎回ファイル全体を再生せずに調整できます。

まず音楽としてつながる位置を探す

編集する権利のある音声ファイルを開き、リズムや和声がつながる開始点と終了点を探します。波形上では静かな切れ目でも、拍が抜けたり、リバーブの余韻が途切れたり、別のフレーズへ飛んだりすると不自然に聞こえます。

範囲を選んでSeamで聴く

  1. 波形をドラッグしてループさせたい範囲を選択します。選択端は近くのゼロクロスへ補正されます。補正なしで指定したいときはShiftを押しながらドラッグします。
  2. Seamを押します。選択範囲の終端直前を最大1秒再生し、そのまま先頭へつなげて試聴します。範囲が未選択ならファイル全体の終端と先頭を確認します。
  3. クリック音、急な音量変化、拍の欠落、響きの途切れを聴き取り、境界を動かしてもう一度確認します。

ゼロクロスだけで判断しない

サンプルの振幅が境界で急に飛ぶと、クリック音の原因になります。ゼロ付近でつなぐと差を小さくできる場合がありますが、波形の進む方向やステレオの左右、前後の音色まで一致するとは限りません。CARVEのゼロクロス探索は第1チャンネルを参照するため、ステレオ全体を耳でも確認してください。

波形はつながっているのに音楽がつまずく場合は、フレーズの境界を見直します。単発の効果音なら両端を無音へフェードする方法もありますが、音楽のループでは繰り返すたびに音量が落ちることがあります。フェードをかければ必ず解決するわけではありません。

OGG出力には開始・終了のマーカーを置く

開始点に再生カーソルを置いてMを押し、終了点にも同様にマーカーを置きます。時間順で最初の2つが意図したループの境界になるようにしてください。Snapはマーカーを拍グリッドへ合わせる設定です。グリッドに合わせたくない場合はShiftを使います。マーカー間をダブルクリックして範囲選択し、Seamで再確認します。

OGGを書き出すと、最初のマーカーがLOOPSTART、最初の2つのマーカーの距離がLOOPLENGTHに入ります。音声の範囲を選択しただけでは、このタグは作られません。

48kHzの音源で、2秒から10秒までをループする例
開始点2 × 48,000 = 96,000サンプル
終了点10 × 48,000 = 480,000サンプル
LOOPSTART96000
LOOPLENGTH480,000 − 96,000 = 384000

最後は書き出したファイルを再生先で確認する

ループタグの単位はミリ秒ではなくサンプルです。サンプルレートを変換すると、位置を計算し直さない限り指定先が変わります。OGG出力にはエンコーダー取得のためネット接続が必要で、再生するプレイヤーやゲームエンジン側にもループタグ対応が必要です。

書き出したOGGをCARVEで開き直してマーカーを確認し、実際に使う再生環境でもループさせてください。編集画面だけでは分からない再生側の差を、最後に確認できます。

CARVEのマーカー操作マニュアル(英語) · 操作とループタグの全マニュアル(英語)